自律神経のパターン
交感神経と副交感神経のバランスを良く「シーソー」のようにたとえますが、体の変調のしかたとしては、次の4つのパターンに分けられます。
1. ◎交感神経と副交感神経の両方が高く、やや交感神経が高い→活動的で元気な状態
2. ○交感神経と副交感神経の両方が高く、やや副交感神経が高い→リラックスして落ち着いた状態
3. △両方とも低く、副交感神経が極端に低いために、交感神経が優位になる→免疫力が下がり炎症が起きやすく、自律神経失調症になりやすい状態
4. ×両方とも低く、交感神経が極端に低いために、副交感神経が優位になる→うつ病などの精神的な病気になりやすい状態
自律神経失調症の4つのタイプ
体のほぼすべての器官は、自律神経による影響を受けて働いています。
したがって、自律神経が乱れると、動悸やめまいや息苦しさなど、体に不調が起きるのです。
自律神経が乱れる最大の原因はストレスです。
過度なストレスにより、ホメオスタシスの自己調節機能が限界を超え、自律神経が乱れ た状態が自律神経失調症です。
自律神経失調症には“4つのタイプ”があります。
1.生まれつき、自律神経の調整機能が乱れやすい「本能性型自律神経失調症」の人
2.最も多いタイプで、“生真面目で几帳面”で責任感が強く、努力家な人に多く、“ス トレス”による身体症状が中心の「心身症型自律神経失調症」
3.慢性的なストレス環境による精神症状や、“やる気が出ない”、気分が晴れないなど の抑うつ気分を伴う「抑うつ型自律神経失調症」
4.クヨクヨしたり、体調や感情の変化に過敏など、性格や考え方などによる心理的なものが原因の「神経症型自律神経失調症」
自律神経失調症は「全身におよぶ症状」ですが、検査をしても体には「異常がない」の が特徴です。
主な身体的な症状としては、頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、疲れやすい、ふらつき、の ぼせ、冷え、むくみ、関節の痛み、便秘、下痢、腹痛、生理不順、口や喉の不快感、息苦しさ、胸や背中の痛み、頻尿、残尿感、発汗、肩こり、手足のしびれなど、原因不明の 「不定愁訴」を引き起こす症状です。
不定愁訴とは、頭が重い、イライラする、疲れがとれない、よく眠れないなど、「何となく体調が悪い」という、患者の主観的な全身の不快な症状の訴えで、検査をしても特に 病的な異常が見つからない状態です。
これらの症状にはかなり個人差があり、また複数の症状が重なることが多くあります。
これは、生まれつき自律神経失調症になりやすい「体質」やストレスに弱い「性格」によ るものがあるためです。
そしてイライラや不安、情緒不安定、不眠、記憶力や集中力の低下、“喜怒哀楽”の感情の起伏が激しくなるなどが起こりやすくなります。