「うつ病と自律神経失調症」との違い

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症状の違い

うつ病(気分障害)は、抑うつ気分を伴う感情の病気(脳の病気)です。

うつ状態には、感情の異常(理由もなく気分が落ち込むや不安、焦燥感、イライラ、重苦しさ)、思考の異常(集中できない、物忘れ)、意欲の異常(意欲が低下し、気力や根気がなくなる)などがあります。

身体症状では、不眠、食欲や性欲の低下、朝起きられない、仕事などで根気が続かず能率が上がらない、“元気がない”“生きていても仕方ない”など、「自殺願望」があるのが特徴です。

さらに自律神経失調症の症状を伴う場合、見分けがつきにくいのです。

自律神経失調症は、全身の各器官にあらわれるため、あらわれ方や程度は人によって千差万別です。

体にあらわれる代表的な症状として、頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、疲れやすい、ふらつき、のぼせ、冷え、関節の痛み、便秘、下痢、腹痛、生理不順、口や喉の不快感、頻尿、残尿感、発汗、肩こり、手足のしびれなどがありますが、検査しても異常がないのが特徴です。

精神にあらわれる症状としては、不安感、憂うつ、イライラ、記憶力や集中力の低下、無気力や意欲の低下、不眠、眠気などです。

このような精神的な症状が強い場合は、うつ病の治療も必要な場合があります。

そのため、医者からは「どこも悪くありませんよ」と言われ、家族や職場の仲間からは

「気にしすぎだよ」とか「仮病じゃないの」など疑いの目で見られてしまうのです。

原因の違い

うつ病は、生まれつきの性格や体質、環境の変化やストレス、病気などが重なり発症し、

脳内でモノアミン(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの気分に関与する神

経伝達物質)の量が減少することが原因と考えられています。

自律神経失調症は、ストレス(環境、性格、思考)が強かったり、生活習慣(睡眠、姿

勢、食事、運動)が乱れると、体質、心の持ち方などから、自律神経(脳から背骨の中に

ある脊髄)のバランス(交感神経と副交感神経)が崩れます。

治療法の違い

うつ病は、病院では通常脳内の神経伝達物質を調整するための抗うつ薬による「薬物治療」がメインです。

自律神経失調症は、精神的な要素が大きくかかわっているため、治療は「心と体の両面」から行うべきです。

したがって、カウンセリング、姿勢や脳神経のエラーを整える治療などが効果的です。

また、セルフコントロールは、質の良い睡眠(脳を休める)、休息(心身を休める)、ストレス解消(趣味や運動)、腹式呼吸を意識する、生活リズム(食事時間や起床時刻)を整えることが大切です。

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