男性Nさん 46歳自営業 治療期間10ヵ月
Nさんは、経営者です。従業員への不信感から関係性が悪くなり、そのストレスが原因で、1年前から胸が“グワッと”する感じの不整脈が起きました。特に、夜中に不整脈からの不安で起きてしまうため不眠症にもなっていました。
病院の検査では、明らかな心臓病ではなく、“期外収縮”による不整脈と診断され、心療内科に受診されていました。
期外収縮とは、正常な拍動の間に時々不規則な拍動があらわれる症状で、主な原因は、飲酒、喫煙、ストレス、過労、睡眠不足などといわれています。
Nさんは、心療内科で自律神経のバランスの乱れでも、期外収縮による不整脈や動悸が起こるということを知り、当院に来院されました。
毎晩襲われる死の恐怖から解放されたいと訴えられました。
治療は、カウンセリングを中心に行い、また顔の筋肉(頬筋)が固まっていましたので、顔から自律神経を整える施術もあわせて行いました。
生活指導としては、本人も体重が増えたことを気にされていたので、症状が落ち着いた2ヵ月後くらいから、ストレス発散も兼ねて、ジムに通ってもらい、食事管理と筋トレによるダイエットを4ヵ月くらい行いました。
自律神経失調症は、ストレスと生活リズムの乱れが主な原因ですが、Nさんは明らかに慢性的なストレスが原因でした。
カウンセリングにより、Nさんはストレスを生みやすく、ため込みやすい性格だとわかりました。
このタイプは、几帳面で真面目で、完璧主義ですが、一度感情が崩れてしまうと引きずってしまったり、周囲の目が気になる人が多いです。そしてストレスに弱く、うつ病になりやすいタイプとして、メランコリー親和型性格、執着性格などと呼ばれています。
カウンセリングを行う中で、Nさんに合ったストレスとの付き合い方など、具体的なストレスマネージメントについて理解を深めてもらいました。
その後、毎週当院に通われるうちに表情が明るくなり、考え方がどんどん前向きになりました。短期間のうちに心も体も良くなっていくのがはっきりとわかりました。
仕事にも変化がありました。うまくいっていた会社を売却して、営業能力の高かったNさんは、企業向けの営業コンサルとして新たなビジネスを始められました。
また、体の変化も起きました。理想の減量に成功し、若い頃からの夢に向かっての活動を再スタートされています。
私はこんなNさんの不死鳥のような羽ばたきに、逆境から立ち上がる人間のすごさを感じました。
今も定期的に通われていますが、仕事もプライベートも充実されていて、治療の度に良い刺激をもらい、私が励まされています。