人生におけるストレスの変化

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幼児期〜学童期

ストレスの原因としては、入園や入学時の社会的変化の不安、保育園や学校といった集団生活の環境の変化に馴染めない不安、親の愛情やスキンシップ不足の不安、また、転校、いじめなど友達や先生に対する人間関係の悩みや、授業についていけないことや成績不振などです。

これらを親や先生に相談できず、ひとりで悩みを抱え、“不登校”になりやすいはじめの時期です。当院に通われている不登校の患者さんも、学校に馴染めない“中学1年生”が多い傾向にあります。

思春期〜青年期

特に自律神経失調症になりやすい時期が“思春期”です。

子供から大人への急激な体の変化に、心がついていけない心身のアンバランスさを感じる時期です。

親との関係では、親の干渉がうっとうしくなったり、独立心と依存心など、「心の葛藤」が起きます。また、この時期特有の恋愛や失恋などによる焦燥感や挫折、進学や就職など、はじめて自分で“人生の舵(かじ)を切る”プレッシャーなど、誰しも悩み苦しむ時期です。

成人期

この時期は、就職、結婚、出産など人生の喜ばしいイベントが続く時期です。

一方で、家族を持ち、家族の期待と責任を一心に背負い、会社では、昇進や転勤など、複雑な人間関係や仕事のプレッシャーなどで、プラスとマイナスともに“ストレスが一気に増える”時期でもあります。

この時期に仕事で無理しすぎたり、離婚など大きなショックを味わうと、ある日突然、動悸やめまいがしたり、朝起きられなくなるなど、自律神経失調症やうつ病になります。

私自身も、出向先の関連会社で、がむしゃらに頑張った結果、ふらつきや動悸などの自律神経失調症になった経験があります。今は患者さんに無理をしないようにと伝えていますが、実際のところ、不定愁訴の症状があらわれないと、自分が無理していることには気づかないものです。

熟年期

働き盛りの年齢になり、さらなるハードワークの中、中間管理職など、部下と上司の板ばさみによるストレス、出向やリストラ、またプライベートでは親の介護など…、心身ともに限界を超える「人生の最大のストレス」の時期です。

健康面では、男性は心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を発症しやすく、女性は更年期障害になりやすい時期です。

そのため、自殺が多い年代でもあります。

老年期


体力的に衰えを自覚し、定年退職などで会社での立場や責任からは解放されますが、反面、人生を見直す時期となり、子供の独立や配偶者の病気や死別、近親者の死亡など、精神面で“喪失感”や“孤独感”を感じやすい時期です。

特に、「生きがいの喪失」は、自律神経失調症から「うつ病」を起こしやすくなります。またこの年代は、頑張ってきた代償に、何らかの持病を持っていることが多いです。喪失感から自律神経失調症が持病を悪化させることもあります。

第二の人生をより良くするためには、健康診断や人間ドックなどの検査をして、病気の早期発見、早期治療に心がけましょう!

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