私たちの日常生活の行動の9割は、「潜在意識(無意識)」による行動だといわれています。
行動には、“2つの仕方”があります。ひとつは“無意識”の行動。そしてもうひとつは“意識的”な行動です。
たとえば、朝起きて、歯を磨いたり、トイレに行ったり、お化粧をしたりしますが、これはすべてを意識して考えてやっているわけではありません。無意識に近い行動です。
簡単にいえば「習慣」です。
これが“潜在意識”による行動です。
潜在意識は、あなたがこれまでに学んだこと、その知識や思考、使ってきた言葉、感じたことや経験などが元になっています。
したがって、脳は行動する際に1から10までいちいち考えることもなく、過去の行動をコピーして、エネルギーを節約するためにパターン化した合理的な行動をあなたに“無意識に”とらせているのです。
仮に、日常生活の行動をすべて考えて、意識的に行動したら、脳が疲弊して病気になるのはいうまでもありません。
また、脳は過去の合理的な行動パターンを選択する一方で、未来への強い思いなど、「リアリティの強いイメージ」を“そ
れ”として選ぶ性質があります。
つまり、これを症状の改善(治療)に利用すればいいのです。
病気になった場合、誰でも不安な気持ちになりますが、大事なのは「必ず治る!必ず治してみせる!」と強く思うこと
です。
そう強く自分にいい聞かせることで、脳は、「治るイメージ」をリアリティとして強く受け止めるため、無意識にあなたに
「治るための行動」をさせるのです。
そして実際に、良い感情は脳のストレスを軽減し、脳を活性化させますので、ホメオスタシス(自律神経系、内分泌系、
免疫系)の機能が正常化します。
これが症状の改善が速くなるしくみだと私は考えています。
しかし、あなたの過去の捉え方がネガティブだったり、これまでの行動が消極的だったり、常に過去のことに囚われて
いると、未来は、今とはさほど変わらず、ネガティブで消極的な状況が続くのです。
つまり、脳が体を管理しているわけですから、健康についても同じことがいえます。
「今まで良くならなかったから、もう治らない」と、ネガティブな思考でいると、脳は慢性的にストレスを受けるため、ホメオスタシスが正常に働かず、症状が長引くと私は考えています。
さらに、ネガティブな思考は、治療に対しても消極的になるため、「治療の機会」を逃がすのです。
それでは対応のしようがありません。
このように、意識の持ち方次第で、症状の改善を早めたり、自分で治らない状態をつくり出している場合があるのです。
“病は気から”というのも納得できますね。